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井戸村 泰宏; 伊奈 拓也*; 真弓 明恵; 山田 進; 今村 俊幸*
Lecture Notes in Computer Science 10776, p.257 - 273, 2018/00
被引用回数:2 パーセンタイル:50.01(Computer Science, Artificial Intelligence)前処理付チェビシェフ基底省通信共役勾配(P-CBCG)法を多相熱流体CFDコードJUPITERにおける圧力ポアソン方程式に適用し、8,208台のKNLプロセッサを搭載したOakforest-PACS上で計算性能と収束特性を前処理付共役勾配(P-CG)法や前処理付省通信共役勾配(P-CACG)法と比較した。P-CBCG法は収束特性のロバースト性を維持しつつ集団通信回数を削減する。このロバースト性向上により、P-CACG法と比べて一桁以上大きい省通信ステップ数を実現する。2,000プロセッサを用いた場合、P-CBCG法はP-CG法, P-CACG法と比べてそれぞれ1.38倍, 1.17倍高速であることを示した。
井戸村 泰宏
no journal, ,
ポスト京重点課題で開発を進めている核融合プラズマシミュレーションコードのエクサスケール計算技術を概説する。ITERの核燃焼プラズマは複数種のイオンから構成され、その時空間スケールは既存装置に比べて一桁以上大きくなる。このため、ITERにおける核燃焼プラズマシミュレーションはエクサスケール計算を必要とする。このような背景から、本研究では最先端メニーコアプロセッサ上での高効率計算を可能とし、ノード間通信を削減する新たな計算技術を5次元核融合プラズマ乱流コードGT5Dにおいて開発し、8,208台のXeonPhi7250(KNL)プロセッサを搭載したOakforest-PACSにおいてその性能を実証した。
井戸村 泰宏
no journal, ,
最先端メニーコア環境における大規模原子力CFDシミュレーションにおいて開発を進めている計算技術を概説する。原子力機構では、過酷事故時の原子炉の溶融移行挙動や放射性物質の環境動態等の重要課題の解析に向けて大規模CFDシミュレーションが必要とされている。最先端メニーコア環境はこのような大規模計算需要に対する有望な解決策であるが、演算加速によってノード間通信やデータI/Oのボトルネックが顕在化する。この問題を解決するために、3次元多相多成分熱流動解析コードJUPITERにおいて新たな省通信行列ソルバやIn-Situ可視化システムを開発し、8,208台のXeonPhi7250(KNL)プロセッサを搭載したOakforest-PACSにおいてその性能を実証した。
井戸村 泰宏; 伊奈 拓也*; 真弓 明恵; 山田 進; 松本 和也*; 朝比 祐一*; 今村 俊幸*
no journal, ,
本研究ではオリジナルの省通信一般化最小残差(CA-GMRES)法と同じ省通信特性を維持しつつ計算量とメモリーアクセスを30%削減する修正CA-GMRES法を提案する。より高い演算密度、かつ、より少ない通信量と計算量という演算特性はメモリ帯域幅と通信帯域幅が制限される将来のエクサスケール計算機に対して有望な特徴である。修正CA-GMRES法をジャイロ運動論的トロイダル5次元オイラーコードGT5Dの陰解法ソルバにおける大規模非対称行列に適用し、Oakforest-PACS(KNL)において性能評価を行った。数値実験結果から、一般化共役残差法と比べて、演算カーネルは1.5倍高速化され、1,280ノード利用時のデータ縮約通信コストは全体コストの12.5%から1%に削減されることが示された。
真弓 明恵; 井戸村 泰宏; 伊奈 拓也*; 山田 進; 今村 俊幸*
no journal, ,
多相CFDコードJUPITERにおける圧力ポアソン方程式のような悪条件問題に省通信共役勾配(CA-CG)法を適用する上で収束特性の向上が必要となっている。CA-CG法では省通信ステップ数を増やすことでより多くの通信を削減できるが、数値誤差に対するロバースト性が悪化する。この問題を解決するために、チェビシェフ基底CG(CBCG)法をJUPITERに適用する。